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◆ふらんす堂編集日記
◆第二句集
主宰誌「さくら」が、創刊十周年を過ぎました。私も古稀をむかえ、俳句とすごした二十代からの長い日々を今さらながら思います。森羅万象に畏怖し、あらためて季語の力に感謝する思いです。
(著者あとがきより)
◆自選十二句
雨粒のひとつひとつの桜かな
かごめかごめ後の正面春の富士
鶯や姫を沈めし沼の色
先生のはりきつてゐる潮干狩
初恋の人に開きて白日傘
羅のひとにつきゆく奈落かな
富士山へ磯巾着のひらきけり
八月や棘のある魚釣り上げて
零れたる風の重さの零余子かな
秋風や虫喰ふ草を育てをる
オリーブの葉裏の白き良夜かな
火の色も露けくなりぬ秋燕忌
*
[いささくらこ(1942〜)「さくら」創刊主宰]
装画:伊佐雄治
装丁:和兎
四六判上製カバー装
224頁
2013.01.25刊行