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◆ふらんす堂編集日記
◆第一句集
白鳥のさざめく光啄めり
句には巧もうとする様な心は少しも感じられない。与えられた眼前の景をありのままに受容しようとする心根が基となっている。
(序より:斎藤夏風)
◆自選一〇句
白躑躅祖母の嫁入り道具かな
見返しの阿弥陀三尊青葉光
短冊にひらがな翔んで星祭
荒行に発つ日と聞きし冬桜
濃竜胆又三郎が揺らしけり
蔓を切る音が枯野に響くほど
回りつつ羽子の落ちゆく雪の上
白鳥のさざめく光啄めり
海坂を進む一帆お元日
魂のふしぎを語り十三夜
*
[いとうあつこ(1955〜)「屋根」同人]
序:斎藤夏風
跋:葉上啓子
装丁:和兎
四六判並製カバー装
234頁
2012.12.28刊行