◆第一句集
荒草の風のポルカや九月来る
すでに著者は対象を外さずに独自の言葉で自在に言い得る境域に来たと言っていい。
(帯より:辻田克巳)
◆自選一〇句
初夏のうすむらさきの化粧水
五月雨を琵琶型に容れ鳰の海
桜蘂降る人生の昼下り
平成の風雅に侍り暮の春
鷹化してみるみる鳩や飴細工
諸葛菜京の七野のに紫野
荒草の風のポルカや九月来る
マジシャンの手よりこぼれて秋の雲
切子光りに新涼のイヤリング
煮凝の琥珀包みの小骨かな
*
[こんどうひろよ(1932〜)]
序:辻田克巳
装丁:和兎
四六判上製カバー装
196頁
2012.12.13刊行