◆第一句集
岩崎さんの詩は、人間の内面に焦点を当て、想像力豊かに詩的世界を発展させていかれるのですが、その中から滲み出るユーモアによって、独特な詩境を醸し出しています。
(帯より:壺阪輝代)
◆自選十句
雛流し吾子の離れてゆくやうな
小さき手を天に開きて落花待つ
追うて来て子猫もらうてくれと云ふ
文字飛んで言葉の飛んで明易し
国分寺や英語行き交ふかき氷
雷を一つ聞きたるリフトかな
よく笑ふ人と相部屋夜の長き
秋冷や遠き過去より来し手紙
探しもの今日もしてゐる十二月
年の暮らしくなき顔集ひけり
*
[いわさきゆきひろ(1941〜)]
序:壺阪輝代
装丁:和兎
四六判並製カバー装小口折グラシン巻
196頁
2012.12.09刊行