◆創立二十五周年
生還の以後の十年さくらの芽
十年前がんを患い手術。
生還以来ますます忙しく、以前より東奔西走の毎日を送っている。
退院以後の十年の句を纏めて、ここにささやかな記念としたい。
(あとがきより)
◆帯より
山ぶだう賢治のことばこぼれけり
黙祷にはじまる句会冬銀河
かはうその貌の流れてゆく暮春
ユダの血のわれにも少し青蜜柑
あつまれるものみな阿修羅蔦紅葉
啓蟄やつぶやいてゐる「Quo Va dis 」
生も死も有や無やとなり螢の夜
シベリウス雪の目覚めの日本海
いのちひとつ爆忌ふたつや今朝の秋
生還の以後の十年さくらの芽
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[いしかんた(1943〜)「炎環」主宰]
装丁:田中淑恵
四六判上製カバー装
210頁
2012.12.25刊行