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◆既刊全句集
西村和子の全貌を知る一書。
『夏帽子』『窓』『かりそめならず』『心音』『鎮魂』
既刊五句集に加え、『古季語と遊ぶ』の句も収める。
初句索引付き
◆収録作品より
如月のうすぎぬ展べし海の色
芦の芽の切磋琢磨の光かな
病む人に五月の窓の蒼すぎる
るるるると藻の花ゆるる風立ちぬ
修養のはじめの秋の鏡磨ぐ
入るからに匂ひ湿れる菌山
物思ふ姿に冬の獣等は
曇らじと隠れたりけり龍の玉
行かへて去年今年なき句帳かな
福寿草母に用あるものわづか
◆著者略歴
西村和子(にしむらかずこ)
昭和二十三年、横浜に生まれる。
昭和四十一年、「慶大俳句」に入会、清崎敏郎に師事。平成八年、行方克巳と「知音」創刊。句集『夏帽子』(俳人協会新人賞)『心音』(俳人協会賞)他。著作『虚子の京都』(俳人協会評論賞)『季語で読む源氏物語』『俳句のすすめ―若き母たちへ―』他。平成二十年より「毎日俳壇」選者。平成二十四年、第三回桂信子賞を受賞。
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[にしむらかずこ(1948〜)「知音」代表]
装丁:君嶋真理子
四六判並製カバー装
262頁
2012.12.25刊行