◆第一句集
宮本壮太郎さんがこの句集『山光』をもって、俳人として世にその力を問う一歩を踏み出した。この句集が世に温かく迎えられることを祈っている。更に精進を積まれ健吟を重ねて行かれることも祈念しつつ筆を擱きたい。
（序より：有馬朗人）
◆収録作品より
築地松刈る冬天に鉈の音
赤米を刈りて銅鐸鳴らしけり
妻籠めの雲引き寄せて夏燕
神等去出の矢田の渡しや海晴れて
岩樋守り引継ぐ家や春火鉢
大斐伊の岩樋を奔る雪解水
杏咲く尼子の里に京人形
月山の裾に尼子の武者幟
雪舟の硯水泉に緑雨かな
鴎外の獨逸日記や風薫る
＊
［みやもとそうたろう（1941〜）］
序：有馬朗人
装丁：和兎
四六判並製カバー装小口折グラシン巻
192頁
2012.09.09刊行
