◆第一句集
花鳥諷詠をモットーに、ひたすら俳句を続けて参りました。
其の証として一冊にまとめてみました。
激動の時代、心だけでも余裕のある俳句の時間を持ち続けたい、広めたいと暮しております。
“常に新たに前向に”
(あとがきより)
◆収録作品より
髭はねて海老のぞきけり雑煮椀
春泥を来し靴ばかり山の駅
美女柳睫毛に雨の糸宿し
若き日のわれをさらして古書曝す
撲たれても帰る外なき鮭の川
涼新た硯の海の匂ひ立つ
吾亦紅吾また旅の風のなか
熱燗や鬼女のはなしに夜が更くる
餅焦げるしぐれの町の匂ひかな
ローカル線待つ影長し日短し
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[つるたりょう 「獺祭」同人 「ほりどめ」「あかね」会員 「山脈」主幹]
挿画:鶴田良
装丁:君嶋真理子
A6判並製カバー装
212頁
2012.10.10刊行