◆新詩集
山岡遊の詩作品群は一篇一篇完成度を増して、眼前に出現したのである。巧い構成力だと思う。敵は現実そのものであり、事件の核心に迫る勢いがある。表現力、形象力には彼自身のアイロニーが散布されていて、展開力のユニークさを映し出している。
(解説より:長谷川龍生)
◆収録作品より
〈眠れない雄牛〉の更年期障害が
動きの部位から次から次へと精気を奪い去ってゆく
これでいい これで
もはや若さになんの魅力があろう
わたしは痛恨の
大老人になるのだ
(「兆」より)
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[やまおかゆう]
解説:長谷川龍生
装画:春とんき
装丁:和兎
A5判ペーパーバックスタイル
104頁
2012.10.01刊行