◆第一詩集
森本信雄の言葉は、最初の最初から、ふしぎな力を秘めていた。
(栞より:福間健二)
◆収録作品より
今日の朝も昨日と変わり映えはないが、生涯日数四六三六一日の
二五九九九日目の朝なのだと数えたとき、
毎日を信じて残り二万日余りも
何気ない日々であることを願うしかない。
(「朝を数える」より)
もうどこにも 少年のころを探し出せない
現実だけが息づいていて
ぼくのふるさとは、脳裏の底だけにしかなく
緑の田畑も 土の道も
そして その当時の人たちの 息遣いにも
出会えず、感じることもできなかった。
ああ ふるさとよ。
(「ふるさと」より)
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[もりもとのぶお(1940〜)]
栞:福間健二
装丁:和兎
四六版ペーパーバックスタイル
68頁
2012.09.25刊行