◆第一句集
百メートル泳ぎきつたる目の涼し
言葉に負担をかけない、思いの粘りを出さない、そんなところにも俳句との相性のよさがあるようです。
(跋より:宇多喜代子)
◆自選十句
青芒風を平らに通しけり
単線や薄の先は日本海
霧氷解け葉先に大き雫かな
余震なほ月天心に冴返る
春塵を払ふ小諸の風清し
矢を放つ音の静寂や新樹光
百畳にひとりの読経風涼し
余生とは男の廻す木の実独楽
放哉と父母眠る島小春
天地の乾きの中に寒牡丹
*
[おぎのきみ(1945〜)「草樹」会員]
跋:宇多喜代子
装丁:君嶋真理子
四六判フランス装
190頁
2012.08.11刊行