◆第二句集
自伝的大河小説家トマス・ウルフの研究家、古平隆氏が選んだ自己表現の手段は、極小の詩型、俳句。その斬新な切り口、確かな写生、そして硬度の高い言葉は、まさに「作者を超える作者の作品」を生みだした。『登攀』は待望の第二句集である。
（帯より：坂本宮尾）
◆収録作品より
雪吊の傘に高層ビルを入れ
断崖を過る鉄鎖にザイル足し
鍵穴に鍵を差し込む雪明かり
夾竹桃無人灯台むつつりと
最上川転がり入りし雪の跡
螢火の暗きをひろげひろげつつ
山桜山懐に武士の墓
青芝の囲む礎石に幼な立つ
一茎の先の空?メトロノーム
万緑を流る千曲のこの曲がり
*
[こだいらたかし（1934〜）]
帯：坂本宮尾
装丁：君嶋真理子
四六判上製函入
226頁
2012.06.14刊行
