◆現代俳句文庫
天空は音なかりけり山桜
『跣足』抄
『天空』抄
「天空以後」抄
◆作品紹介
花冷や男はいつも戦場へ
春寒し滝への道はひとりづつ
少年の一礼深き帰雁かな
青空のなかなる春の氷かな
はればれと佐渡の暮れゆく跣足かな
寒声を使ふ始めは低うして
新しき色の加はる金魚玉
雪を積み始めてゐたる水の上
めいめいの目の高さなる梅の花
立ち働ける人のゐて花筵
*
[ふじもとみわこ(1950)「泉」副主宰]
解説:大木あまり/千葉皓史
四六判ペーパーバックスタイル
104頁
2012.03.30刊行