◆第一句集
思いがけない様々な出会いに導かれ、俳句の豊かな世界を知ることができました。今、その幸せを噛み締めています。俳句は自然や社会を見つめさせてくれます。そして、なにより自分自身を映す鏡でもあります。これからも与えられた時間に感謝しつつ、自分の言葉、表現を探し続けたいと思います。(帯より)
◆自選十句
ソプラノののびやかにでて春の昼
伽羅蕗や母よく笑ひよく眠る
ひたひたと自死三万の国の夏
こぼるるは生命ならずや花檀
ジンジャーの花夢ばかり語り来し
膝に猫呼び小春日を分かちあふ
吾子二十歳冬の苺のにほひたつ
椅子の上のオルガンシューズ冬うらら
夫と仰ぐ今朝新雪の八達嶺
傷心を丸めてぽんと冬満月
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[むらもとなずな(1950〜)「海程」所属]
口絵:碓井恵子
装丁:和兎
A5判上製カバー装
140頁
2012.02.25刊行