◆第一詩集
謎々をあなたにあげる。
決して解けない謎々をあげる。
(帯より)
◆収録作品より
謎々をあなたにあげる。決して解けない謎々をあげる。
春と秋しかなくても、割れた秋のかけらをあげる。細かなかけらを一つか
二つあげる。それはイキモノのかけらかもしれない。
眠ったら眠りきれない過去をあげる。六本木の交差点でスピンターンした
マセラティの助手席。きりきりと見開いたブルーの瞳をあげる。
幻想とわからない幻想をあげる。すべすべをあげる。消えそうな猫はあげ
ない。腕をあげる。脚もあげる。耳をあげる。爪をあげる。だから。
だから。
(「みんなあげちゃうモノガタリ」より)
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[みぎかたひさし]
装丁:和兎
A5判変形カバー装グラシン巻
94頁
2011.01.11刊行