◆第一句集
白牡丹夜は月光菩薩かな
表題となった一句から受ける神々しいまでの美しさは、まさに月光菩薩にふさわしい。作者の美意識から授かった一句は一書の白眉といえよう。
(序より:椎名智惠子)
◆自選一〇句
寿福寺の奥の院より初音かな
ふたたびの愚陀仏庵や梅ふふむ
札所への道まつすぐや夏木立
親しきは虚子の直筆沙羅の花
白牡丹夜は月光菩薩かな
一人子の遊びに飽いて鳩吹けり
残菊や返すことなき父母の恩
夜叉の面とれば童や里神楽
冬怒濤佐渡一島をゆさぶれり
五感みな遊ばせてゐる年の酒
*
[やまもとようこ(1935〜)「澪」同人]
序:椎名智惠子
題字:小西龍馬
装丁:和兎
四六判上製カバー装
198頁
2011.12.07刊行