◆待望の一冊
主宰誌「対岸」に平成13年より連載の「能村登四郎ノート」を100回を機に加筆修正をして1冊に。
登四郎を考える1ページとなれば
この上の幸せはない。
◆本文より
「馬醉木」復刊第一号に登四郎は
咲く梅にみちびく畦の焼かれあり
という作品を発表している。この明るさはどうであろう。もちろん登四郎は単純に喜んでいるのではない。多くの友人を、教え子をなくした戦争であった。その思いは消えるはずはないのである。
この明るさはそうした悲しみの向こうに、一つの諦観の奥に仄見える光明だったのではないだろうか。
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[いませごういち「対岸」主宰]
装丁:和兎
四六判並製カバー装
378頁
2011.10.28刊行