山本洋子句集『夏木』が第51回俳人協会賞を受賞しました!
◆第六句集
若宮を通つてゆきし捕虫網
たおやかにして平明な句境、身ほとりへのあたたかな眼差し、清雅な気品に充ちた第六句集。
◆自選十五句より
敦賀より北に用ある時雨かな
銀杏散るところで母が待つてをり
うら若き掌にのせてきし雪兎
室生寺へ行くかと問はれ春の風
外海といふ大いなる春の闇
いくすぢも鳥羽に立ちたる稲光
刈萱や池にうつりて女来る
宇陀に入るはじめの橋のねぶの花
狐火や土蔵にかます楔石
満月はのぼり暦は果てにけり
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[やまもとようこ(1934〜)「晨」編集長]
装丁:和兎
四六判フランス装
180頁
2011.09.23刊行