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◆対象と一体の把握
返り花木のため息と思ひけり
別名「忘れ花」ともいわれる返り花。「ため息」は失望ではなく感嘆のあらわれ。
橋くぐるとき確と組み花筏
花筏が橋下をくぐる時には一致団結して……と見た。筏乗りのような緊迫感がある。
(帯より:鷹羽狩行)
◆高崎武義抽出
金粉を振り撒くごとく囀れり
返り花木のため息と思ひけり
口すすぐ水の重たき原爆忌
まだ雨の匂ひの抜けず青田風
白梅のゆるぎなき香を繰り出せり
継ぎ接ぎのごとくに芽吹き雑木山
闇に堰あるがごとくに螢飛ぶ
雪嶺となりて華やぐ暮色かな
葭切の谺のごとく鳴き交はし
ばつたんこ空にさざなみ立ちにけり
*
[くののりこ(1946〜)「狩」同人]
序句・鑑賞五句・帯:鷹羽狩行
跋:高崎武義
装丁:君嶋真理子
四六判上製カバー装
190頁
2011.08.28刊行