[在庫僅か]と表示される商品はお手数ですが、在庫をお問合せいただきご購入下さい。「在庫あり」と表示されていても品切れの場合がございます。
◆常住坐臥の詩
真ん中が安らぐところ芋の露
「真ん中」は、ふつう落ち着かない所だが、芋の露には大船に乗った気分だろう。
源平の池おだやかに浮葉かな
やがて紅白の蓮が咲き競う池も、今はその浮葉が瑞々しい。対立するものの「おだやか」な点に注目した。
終の地と決めてしみじみ祭笛
「終の地」は、昔さねさし相模といわれた著者の居住地。この句集の原風景ともなっており、まことに「しみじみ」とした味わいの句が多い。
◆彦根伊波穂抽出より
星数へをれば飛びたち天道虫
雪掻きの人出て村の動き出す
奥能登の風が鍛へし軒氷柱
終の地と決めてしみじみ祭笛
灯されてゐてうす暗き雛の間
月光をこぼさぬやうに白木蓮
人のゐるあたりが道か深雪晴
桜湯を飲みてご両家和みけり
鶏頭をこづけば夕日こぼれけり
滝桜より美しき風生まれ
*
[ほんまきよし(1936〜)「狩」同人]
序句/鑑賞七句/帯:鷹羽狩行
跋:彦根伊波穂
清さんの横顔:田辺レイ
装丁:君嶋真理子
四六判上製カバー装
216頁
2011.08.28刊行