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◆第五句集
今ここにゐる遙けさの花野かな
この存在の果てしない時空のなんと淋しいことか。それは当然〈生〉のさびしさでもある。花野が象徴するものは深い。
(栞より:柿本多映)
◆自選十五句より
去年の雪吹き上げて甲斐駒ヶ岳
盆地まだ靄の底なり鷦鷯
紅梅のかたはらに師の来てゐたり
雲つかむやうに均して白子干す
はくれんの朽ちて土いろ仏生会
茎立や雲こんもりと富士包み
石段に杉の打ち伏す大暑かな
亡きひとのこゑに覚めしか夏椿
それぞれの丈に山ある九月かな
蛇笏忌や百合の実どれも天へ反り
*
[みつもりてつじ(1959〜)「白露」同人]
栞:柿本多映
装丁:君嶋真理子
四六判並製カバー装グラシン巻
236頁
2011.08.28刊行