[立ち読みする]
炎が燃え
火花がとぶとき
ぼくたちの目は
火花の落ちる先を追う
そこに ひとひらの灰しか
見つけられなくとも
やがて 灰が落ちているわけを忘れようとも
12篇を収録した詩集。
◆ 第一詩集
大学生のとき清水哲男さんと知り合い、後に詩集『喝采』としてまとめられる数々の詩を、できあがってすぐに見せていただくようになった。(略)やがて自分でも詩を書きはじめ、東京に来てからも清水さんからいただく『水の上衣』『水瓶座の水』などの詩集のおかげで詩に関心を持ちつづけることができた。人はなんのために詩を書くのかわからなかった。(略)1983年に「苦しい夜のために」を書いて、しばらく後に、人はなんのために詩を書かねばならないのかがわかった。それから2003年に書いた「落葉樹」までの十二篇を出版することにした。私が書いた詩のすべてである。
(あとがきより)
装丁・君嶋真理子 B6判上製フランス装 64頁
●著者略歴
郡 敏昭
1941年中華民国上海市に生まれる。1964年京都大学理学部数学科卒業