◆第一句集
まなかひの白蓮に息あるごとく
槙子さんの作品は写生を基盤としている。素直な目で対象を真っ直ぐに見つめ、その本質を捉えようとしている。写生を基盤にしながら、槙子さんの句で際立っているのは、繊細な感性と情感の豊かさであろう。(序より・鈴木貞雄)
◆自選十五句より
薄氷をよけし流れに水の音
雛の間に大海原の光かな
山藤の此処とは違ふ風に揺れ
里の道春満月へ向かひけり
漣の現れて来し花筏
大干潟ところどころに空の色
その孫と虚子展拝す薔薇の雨
竹植ゑて水琴窟の高音かな
半分は池の面にあり夏の雲
馬の物人のもの干す馬場の秋
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[はせがわまきこ(1962〜)「若葉」同人]
序:鈴木貞雄
栞:橋本榮治
装丁:君嶋真理子
四六判並製カバー装グラシン巻
204頁
2011.08.10刊行