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◆第一句集
雲水の黙黙掃けり五里霧中
深い霧の中で方角が分からなくなるどころか、森澤とほる氏が良い意味で俳句巧者だということです。
さらに本物の「軽み」の世界を具現化した作品として、われわれ読者の心に深く深くひびくのにちがいありません。
(跋より:遠藤若狭男)
◆遠藤若狭男選より
嬰の泣き声も聞かせて初電話
沙汰無きが達者のあかし福寿草
三月や身のほのぼのとして歩む
降りだして空の明るき木の芽山
百計は退くに如かずと亀鳴けり
忘れものして引き返す炎天下
雲水の黙黙掃けり五里霧中
何食はぬ顔で辛辣生身魂
明るうてさみしき銀杏黄葉かな
くきやかに鏡の奥の冬薔薇
*
[もりさわとおる(1927〜)「狩」会員]
跋:遠藤若狭男
装画:黒野祐一郎
装丁:奥川はるみ
四六判上製カバー装
296頁
2011.07.18刊行