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◆第一句集
私はこの意欲にあふれ、健康と体力にも恵まれた一人の女性が、予期せぬ不幸、つまり最愛のご子息のひとりを突然に失うという事態に見舞われたとき、その菩提を弔うために、はるばるみちのくの岩手県から四国に通いつめ、たったひとりの徒遍路を発心、満行された。その身体と心を張った「行」の中から詠みあげられた作品群をこの一集の白眉とおもい、学ばせて頂いてきた。
(「木村燿子句集『片寄波』に寄せて」より:黒田杏子)
◆自選十二句より
陸奥湾や花菜明りのなだれゆく
影を曳くラクダの列や西日中
海鞘を焼く浜の少年歯の白き
雁渡る白装束の列の上
子を抱く野猿の眼日の永し
桜貝掌におけば海ひろがり来
筒鳥や聖地詣での灯をつけて
行く秋の橋のたもとに風のこる
ネバ川に映る尖塔夏燕
和紙人形すらりと立ちし白夜かな
*
[きむらようこ(1934〜)「藍生」所属「樹氷」同人]
序:黒田杏子
跋:柴田綾子
装丁:君嶋真理子
四六判フランス装
180頁
2011.05.28刊行