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◆第三句集
一山の声明に和す遠河鹿
この句の「一山」はイッサンと読みます。タイトルの「一音」は、一つの音声、一つの説法の意で、仏教ではイットンと発音します。一は二を生み、二は三を生じますが、その一はゼロから発すると説くのも仏智です。芭蕉翁の蛙が飛び込んだ古池の「一音」とは、虚実の皮膜を詠んだもの。参禅の帰路、お坊さんの済みわたる声明を背に、そんな思いで山を下りてきました。
(帯より:著者)
◆自選十二句より
一枚の空をのこして鶴帰る
一山のこらへきれざる落花かな
一ところ巨眼となりて金魚過ぐ
一山の声明に和す遠河鹿
一滴に一音水琴窟涼し
一望の尾花ゆれつつ暗みたり
一喝を人形に入れ菊師去る
一畳で足る妻の城初鏡
一山を二寸押し上げ霜柱
一打一拝僧の影透く初明り
*
[ながおかきざん(1938〜)「河」同人「汀」会員]
装丁:君嶋真理子
A5判変形上製カバー装
186頁
2011.05.10刊行