◆エッセイ集
森羅万象の不思議に魅了された化学者にして俳人、このエッセイ集には、観察の喜びに心を躍らす一人の瑞々しい少年がいる。
◆生涯は時空一如の一本の絵巻物のよう
『時空のささやき』は俳句誌「白燕」に平成五年から同誌終刊の平成二十一年まで、ほぼ連載のかたちで書いた短文を綴ったものだ。その時々に思い付いた一口話ばかりである。平成四年十一月に橋間石先生が亡くなられ、ぼくがそのあと「白燕」の代表を継いでからの作品ということになる。平成七年一月に阪神淡路大震災に遭って神戸から奈良県生駒市に移住したこと、その後、世界は二十一世紀を迎え、ぼくは無事に生駒で暮らしている。そのような事情から、全体を三つの章に分けてみた。(あとがき)
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[わだごろう(1923〜)「風来」主宰]
装丁:和兎
四六判並製カバー装グラシン巻
243頁
2011.02.22刊行