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◆第二句集
企業の四十五歳研修で俳句と出会った頃、川雀さんにとって俳句は絶好の気分転換だった。あれから二十年、俳句は最高の心の拠り所となった。奈良における歳月が、その結びつきを深めたのだ。
(帯より:西村和子)
◆自選十句
種々の影及びけり春の水
畦を焼く唐招提寺煙らせて
山桜西行庵へ谿深し
きりぎりす戦争少し知つてゐる
行く夏の百済観音菩薩かな
体中の芯に火の玉秋立ちぬ
この秋の愁ひともなく阿修羅かな
笛の音の新薬師寺へ月の路地
金曜の彼彼女らに落葉降る
流れ星父に抱かれて眠る子に
*
[はらせんじゃく(1945〜)「知音」同人]
序・行方克巳
帯・西村和子
装丁・君嶋真理子
四六判上製函入
242頁
2010.11.13刊行