◆生駒大佑さんのブログ「湿度100‰」にて書評が書かれています。
■『大いなる項目』四ッ谷龍句集
◆週刊俳句 Haiku Weekly にて三宅やよいさんが句集評を書かれています。
■見えざる存在に向かって
四ッ谷龍句集『大いなる項目』を読む
◆待望の最新句集
連作への果敢な試み。
五七五の定型に物の手触りは確かに、かつ詩情は力強い。
◆収録作品より
空に窓に緑をくばる大欅
母の掌に置く空?の巨きさよ
ソーダ水地震研究所で笑う
祈るなりわが骨を歯をきしませて
オペラ歌手なみだのようなコート着て
虫の音を撥ね返しいる眠りかな
はばたきは雪後の空にとどまりぬ
冬の光は木々の間を石の間を
群燕ブルーを引いて飛ぶ如し
白魚の顔というものやさしさよ
蝶一つ目で追いやがて二羽の飛ぶ
稲妻は空の裂け目を繕う手
山猫は行ったり来たり宗鑑忌
君を待つ狐のごとく口あけて
君の手を灯台としぬ握りけり
桔梗見てその夜は妻の夢を見て
*
[よつやりゅう]
四六判変形上製
装丁:和兎
68頁
2010.11.23刊行