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◆清々しい句集
何よりも入野さんの真っすぐなお人柄が目に見えるようで、引き込まれるように、一気に拝見してしまいました。
(序より:岡本眸)
◆自選十句より
兵たりし父の肩痩せ三尺寝
病む母に叱られに行く木の実雨
川蝦の身の透くことも秋なりけり
麦秋の大きな夕日畏れけり
輪唱のごとし花野の雲の影
相寄りて色なき秋の水馬
弟のごとく夫臥す一葉忌
夏袴立てば清流なせりけり
朝桜運河働く船ばかり
二人ゐてふたりの息や冬ぬくし
*
[いりのゆきえ(1935〜)「朝」同人]
序:岡本眸
跋:加瀬美代子
装丁:君嶋真理子
四六判上製カバー装函入
198頁
2010.10.16刊行