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◆円環的な時空
行雲流水、花鳥風月は万物流転の表徴であり、四季の循環律を象徴する季語を核として外在する世界と内なるものが響き合い、詩的空想の世界へと転位する。本句集は、夏の精気や音楽の喚起力との交響の中で授かった句を中心として構成した。時間と空間の制約を乗り越えて飛翔する精神の矢、その貫通力を象徴するものとして『夏の鏃』をタイトルとした。
(あとがきより)
◆自選十二句
ヴィオラ立つ潮目遥かに雲の峰
オーボエの休止符長き晩夏かな
海底に沈むシンバル原爆忌
ゲルニカの対角線を猪走る
フェルメールその青深き十三夜
星図より引き抜く槍や冬の海
冬銀河零れて石の華開く
麝香猫に似たる女や榾明り
恩師みな天上のひと辛夷咲く
光陰の影濃きところ水を打つ
*
[あさぶきひでかず(1946〜) 「握手」同人、「俳句スクエア」同人]
栞:仲 寒蝉
寄稿:森永かず子/石母田星人
装丁:君嶋真理子
四六判並製カバー装
178頁
2010.10.28刊行