◆第二句集
一輪は届かぬ高さ冬薔薇
龍哉氏の目は、さらなる高いものを求めてやまないことがわかる。句もまた人をつくる。ますますのご清進を祈る次第である。
(序より:島谷征良)
◆自選十句より
新涼や波形正しき心電図
鳥去つて別の鳥来る枯木かな
せめぎ合ふ芒背高泡立草
かたはらに鳩の足跡蟻地獄
破蓮のはじめは丈の低きより
一枚は少し傾き秋簾
身にしむや菩薩のごとき芭蕉像
大欅散り尽くしたる淑気かな
橋脚に差し来る潮や広島忌
年輪の読めぬ流木鳥雲に
*
[ひろさきたつや(1940〜)「一葦」同人]
序:島谷征良
装丁:山岡有以子
四六判上製カバー装
228頁
2010.10.10刊行