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◆第一句集
生活や住む土地への挨拶の深まりは、日常をしっかりと詠んだ句でありながら、眼前の景の奥にある何ものかを感じさせる。日常の奥にある普遍なもの、さりげない中に円相につながるものを感じさせてくれる。
（序より：松尾隆信）
◆松尾隆信抽出より
叶はざりし夫との遍路一番寺
円相の中に櫻のありにけり
ナリタイモノハヲノコと絵馬に祭髪
重箱の真中に草石蚕長子来る
焼芋屋北京の交差点渡る
待合の円座を立てて席入りす
「ちやん」づけで主治医に呼ばるシクラメン
富士山の金剛杖に緑雨かな
落雷の芝の葉先の匂かな
ふらここの縛られてゐる保育園
*
[かとうともこ（1932〜）「松の花」同人]
序・松尾隆信
跋・横山節子
装丁・君嶋真理子
四六判上製クロス装函入
226頁
2010.09.29刊行
