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野木京子エッセイ集『空を流れる川―ヒロシマ幻視行』刊行記念講演<HIROSHIMAの声に耳をすます> 講演内容を読む
◆あの日の死者たちひとりひとりの声を求めて
H氏賞受賞詩人・野木京子初エッセイ集
消え尽きることのない ヒロシマの声
その無数の囁きに 心を澄ますとき、
あの日の死者たち ひとりひとりの
生きてあった姿を 想うことができる
死者は数ではなく、固有の名前で光を帯びている。
詩は、過去の死者たちと末来の人たちのために開かれている通路である。名指しすることのできない、末来の“あなた”が潜りこむことのできる、上空に隠れている、窪んだ、天空の落葉が焚かれている場所。………そして私たちの「詩」は、被爆や炭化の末来に耐え得るのだろうかと問うている。
(本文より)
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[のぎきょうこ]
装画:杉谷久美子
装丁:山岡有以子
四六判並製カバー装
180頁
2010.10.10刊行