週刊俳句 Haiku Weekly にて関悦史さんが句集評を書かれています。
■【週刊俳句時評 第17回】関 悦史さん書評
『八田木枯の最新句集『鏡騒』はこの世の縁(へり)から「デロリ」を現す。』
■週間俳句で太田うさぎさん×神野紗希さんが書評を書かれています。
前篇『八田木枯句集『鏡騒』を語る』
後編『八田木枯句集『鏡騒』を語る』
八田木枯句集『鏡騒』が第3回小野市詩歌文学賞を受賞しました!
◆第六句集
黒揚羽ゆき過ぎしかば鏡騷
八十路に入ったと思ったら、たちまちにして八十も半ばを過ぎた。思案している?に大禍時も過ぎ、日はとっぷりと暮れてしまった。あとは闇の中を彷徨するばかりか。俳句という厄介極まるものにとり憑かれ、縛され、しかしこの快感に痺れて今日も句を書きつづけている。
(あとがきより)
◆自選十二句より
むさし野は男の闇ぞ歌留多翔ぶ
あかがりやどんみり暮れてゐて仄か
母の額(ぬか)椿落ちなばひび入らむ
戦争が來ぬうち雛を仕舞ひませう
半仙戲薄氣味わろき齡なる
春ふかし鰥といふはさかなへん
ぼうたんの花のゆるるはきはどけれ
白桃は仄聞のごと水に浮く
金魚死に幾日か過ぎさらに過ぎ
よく澄める水のおもては痛からむ
*
[はったこがらし(1925〜)「晩紅」主宰「雷魚」同人]
装丁:間村俊一
カバー写真:鬼海弘雄
A5判上製カバー装変形
206頁
2010.09.10刊行