[在庫僅か]と表示される商品はお手数ですが、在庫をお問合せいただきご購入下さい。「在庫あり」と表示されていても品切れの場合がございます。
◆第三句集
人と産土への存問
――句歴50年にして到る穏やかな円熟
句集名を「大川」としたのには深い理由はない。一つには、私の生れた年と同じ年に竣工した勝鬨橋の袂で生れ、隅田川の川口や川筋で育ったこと。亦、日頃の運動として歩く七千歩コースは、相生橋、永代橋、中央大橋を渡り、佃島の住吉神社へ至る大川端を一周するもので、大川には四季を通じてお世話になっている。そのせめてものお礼の積りである。
(あとがきより)
◆自選十句より
サーファーの影に疲れを滴らす
太陽と一対一に泳ぐかな
秋草や烏兎始まりし埋立地
青空へ手を入れ林檎?ぎくれぬ
はくれんや王冠脱ぐかにコック帽
雷鳴ひと日雲を耕す草田男忌
大川に海の魚跳ぶ秋彼岸
癌三年柚子湯の柚子を苛めても
父が押し落葉の海へ乳母車
黒はもう動かない色初鴉
*
[きたじまたいか(1940〜)「萬緑」同人]
装丁:君嶋真理子
四六判上製カバー装
206頁
2010.09.23刊行