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◆第二句集
「戦後」という重くれを生涯背負い続けた稀有の作家、鈴木六林男に育てられた櫻井ゆかさん。普通なら、その延長上に個を咲かせるが彼女はむしろ、師の内なるものへ殉ずることに俳句生命をかけているような気がしてならない。これまた稀有だ。
(帯より:現代俳句協会顧問 小宅容義)
◆自選十句
春の雪灰の中から釘の出て
花のあと抽斗深くなりにけり
霾やうしろに道のつき来たる
ホースより水出て父の日なりけり
伐られたる木が緑陰に横たわり
目薬の雫広島忌の青空
氷水グラスの外をぬらしけり
押しあげる水の力や浮寝鳥
逸速く暮れる鍵穴六林男の忌
近づき来冬の帽子のなかの人
*
[さくらいゆか(1934〜)「雷魚」同人]
帯:小宅容義
装丁:山岡有以子
四六判上製カバー装
210頁
2010.08.26刊行