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◆第三句集
秋遍路怒濤の景に入りにけり 周子
神戸周子という女人は嫋やかにして心根の強い人だ。それは性格としても俳句の発想の上でも顕著で、時として男を凌駕する。まさに俳諧というすさびごとが、身に添うてきた。凄い。
(帯より:鈴木鷹夫)
◆自選十二句より
思ひにも吃水線あり春の雁
春の雨どこから濡れて帰らうか
叱られてゐるよなシャンソン花杏
南風や卍の文字の転げさう
あれは蛇落ちたる音ぞ阿弥陀堂
小突かれてはんざき一年分動く
展翅いま少年の指晩夏光
夕ひぐらし髪を梳かれてゐるやうな
大佛のてのひらといふ小春かな
鮟鱇のどの部分やら買ひにけり
*
[かんべしゅうこ(1936〜)「門」同人]
帯:鈴木鷹夫
栞:櫂未知子
装丁:山岡有以子
四六判上製カバー装
168頁
2010.07.17刊行