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◆第一句集
瓜食んで子どもら日照雨見てゐたり
この句には、「万葉集」(巻第五)の
瓜食めば子ども思ほゆ 栗食めばまして偲はゆ
いづくより 来りしものぞ まなかひに もとなかかりて 安眠し寝さぬ
の憶良の歌があるのだろう。瓜を食べながら、子供らが美しい日照雨に見とれているのだ。
(序より:森澄雄)
◆自選十句
ハーモニカ吹いて花売鳥雲に
初島へ海凪いでをり淑気かな
鎌研ぎて鉄の匂ひの寒の入
机居の足くづしをる良夜かな
これやこの業平寺の実葛
法堂に龍天翔るさくらかな
手焙りに庭を見てをり宿籠り
涸谷の陽あたりをりて鳶の笛
岳々の照り返しゐる大旦
出格子のあふみの風を半夏生
*
[あだちかずのぶ(1951〜)「杉」同人]
序:森澄雄
装丁:君嶋真理子
四六判並製カバー装グラシン巻き
226頁
2010.05.30刊行