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◆第三詩集
傾斜する現代を見詰め、郷愁の門をくぐり、生のかなしみとおかしみを探る高澤靜香。
その三つ目のポケットから、アンダンテの息遣いが、柔らかな表情で、玄妙な光景を展開させながら、いのちのように溢れ出した。
「ねんひゃくねんじゅう」より
ねんひゃくねんじゅう
あるいています
ねんひゃくねんじゅうと
もっと
もっとも
さんさつほどあれば
よいといいますし
たずねてもいますので
さんけんされますし
ねんひゃくねんじゅうは
じっとしている
ということでもありますし
それじしんも
きょうでおわりとおもっています
それもですし
ねんひゃくねんじゅう
たしかです
ねんひゃくねんじゅう
ひぐれはコドモにであって
コドモであって
ねんひゃくねんじゅう
たしかですから
さっきねこにもききましたから
そのねこです
さっきです
だから
ら
らら
かみのにおいがすきで
あかいなみだらけ
ららら
ら
たずねられたら
みんな
てんですから
ねんひゃくねんじゅう
ここにいますよ
まちあいですから
ここにいます
ここで
ハナミテます
らららら
らら
*
[たかざわしずか(1961〜)]
装丁:君嶋真理子
B6判ペーパーバックスタイル
104頁
2010.05.27刊行