[立ち読みする]
序・山崎ひさを
栞・鳥居真理子 / 櫂未知子
作者独自の感性で対象を切りとり、作者独自の手法をもって表現することに努めている。あくまでもしなだしんの俳句を徹底的に追求してやまない姿勢である。(序・山崎ひさを)
●収録作より
驟雨過ぐカーラジオから好きな曲
赤べこの頭こくりと寒波来ぬ
橋かけて箱庭のそらうまれけり
雪の夜のからだるの字にして眠る
下の田へ水ゆきとどく端午かな
水よりもみづみづしくて青蛙
軍艦の片側ばかりみて暑し
かげろふの舌先にまだ何も来ず
人容れて藤棚はひと運ばぬ舟
沖は晴ブーゲンビリアずぶ濡れに
没しはじめしうすらひの翼かな
夏蝶やペットボトルに水平線