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◆第一句集
夜にとけて枝をひろげしさくらかな
枯草の禾が箒にひつかかり
「さくら」「枯草」という大きなもの小さなものの命というものが、それぞれの形で詠まれていて余韻がある。大きな桜の美しさも、箒にひっかかったイネ科の枯草の花の外殻にある針のような突起も同じ命として詠んでゆくのが、虚子先生の花鳥諷詠である。
◆自選10句
福引のはづれの玉の弾み出づ
杉山の赤みがかりて浅き春
ただいまとのぞいてゆきし春炬燵
縁にゐて干し物たたむ沈丁花
繰返し師の語らるる虚子忌来る
函館や地図のかたちに涼しき灯
真葛原打ちて山雨の来りけり
立て掛けて貼るばかりなる障子かな
冬晴の日の残りゐる遠き壁
枯園のしづけさにゐて父想ふ
*
[つだいきこ(1929〜)「冬扇」「籐椅子」「晴居」「花鳥来」「夏潮」参加]
序文:深見けん二
装丁:君嶋真理子
四六判並製カバー装
210頁
2010.04.23刊行