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◆第一句集
美夜子さんは実に行動力があり、鋭い現代的感覚を持つ一方、伝統的な文化、習俗にも強い関心を持っている。二十年も銀行という現代的な仕事場で、時代の最先端の生活をしていただけあって、新鮮な感覚の句を作る。一方、単なるモダンだけを追うのではなく、風土性をきちんと身に付けているところが良い。
（序より：有馬朗人）
◆自選10句
夜は鬼女に戻らむ淡墨桜かな
厩栓棒はるさんぐわつの入口に
外つ国の亀を鳴かせる金盥
虫送り平家ぼたるの一つ蹤く
虫の闇水の闇へと漕ぎ出しぬ
鷹柱ついと崩れて日の中へ
葬送の楽にも釣瓶落しかな
雪ぼたる舞はねば色を失へり
山国の闇たつぷりと白障子
白山を落ちて雪代水木霊
*
[やましたみやこ（1945〜）「天為」同人]
序：有馬朗人
装丁：山岡有以子
四六判上製カバー装
209頁
2010.03.25刊行
