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◆第一句集
山口青邨門下のひとりとして、先生のご出身地であり、その墓所のある盛岡は、私にとってとても大切な土地である。その盛岡には現在、大勢の句友がいて、句作に励んでいる。久子さんはその熱気あふれる連衆の要であり、地の塩のような存在と私には思われる。
（序より：黒田杏子）
◆自選十二句より
鞍掛山に沸かすコーヒー秋高し
藍絞り解きて八月終りけり
太宰府にぽつぺん吹いて商へり
空梅雨や月桃の花香りたち
稲の花至福の風をおこしけり
枯れ色の花に棹さすメコン川
飛石の試歩の杖音萩こぼる
甲斐路来て春めくものに微笑佛
木の実寄すリアスの海の白砂に
茶の花の師の一声や遠年忌
*
［みうらひさこ（1931〜）「藍生」「樹氷」会員］
序：黒田杏子
跋：柴田綾子
装丁：君嶋真理子
四六版フランス装
176頁
2010.03.25刊行
