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◆第九詩集
大人になっても子どもだった自分が消えてなくなるわけではない。今も体と心の奥底で息づいている子どもの頃の自分のもとへ、殿岡さんは繰り返し出かけてゆく。学校になじめず、逆上がりがなかなかできなかった気弱な男の子。だけど自分だけの世界を持っていた男の子に、そっと寄り添う詩の言葉。記憶はやがて子ども時代の普遍的な悲しみと輝きを宿らせた言の葉を繁らせ、作品へと育てられた。
(帯より・川口晴美)
◆『影の樹』より
肌は楠木の幹のように彫りこまれ
神経は茂る葉のように揺れ
感情は風にしなう枝となり
ぼくの記憶を根にして立つ樹が
ぼくを見おろしているのを
*
[とのおかひであき(1949〜)]
帯:川口晴美
装丁:君嶋真理子
A5判上製カバー装
152頁
2010.03.25刊行