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◆南風シリーズ1
<徘諧自由>を弁(わきま)えた作者の老いていよいよ豊潤の詩心。それは戦という暗い体験の切々の思いを籠めて生きてこられた果の、人間への深いいとおしみから生まれた俳と諧である。その心の『足跡』に注目を頂きたい。
(帯より・山上樹実雄)
◆自選十句より
下萌えぬ子等よ組打ちなどせぬか
首筋を掴まれて鵜の畏まる
声降らし糞を散らして百千鳥
御神渡(おみわたり)てふすさまじき恋路かな
一葉忌ランプの明治暗かりき
風光る折られて紙は翼持つ
にんげんに飯食ふ習ひ油照り
喉登りつめ凍鶴の声となる
薫風のベンチ何から話さうか
まつろはぬものの血の色佞武多来る
*
[いでせんじ(1919〜)「南風」同人]
帯:山上樹実雄
装丁:山岡有以子
B6判ペーパーバックスタイル
100頁
2010.01.09刊行