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◆第一句集
さくら餅たちまち人に戻りけり
一瞬の精神の緊張というか、ある集中から忽と自身に戻ったやすらぎがそこにある。さくら餅の香り、味わいが一句全体を包んでいて読後にえもいわれぬ心地をのこす。著者の精神がほの明るく感じられるのだ。
(序より:大坪重治)
◆自選10句
ひろびろと腹上はあり夏あかつき
良夜かな独りになりに夫が逝く
しあわせな木の実まざりし鳥の糞
冬花火母を正解するなかれ
大勢の自分かわいや紅葉山
腹筋をたっぷりつかい山眠る
仏壇のなかは吹き抜け鳥帰る
春蝉や喪服いよいよ黒くなる
フラスコの必死のかたち桜咲く
さくら餅たちまち人に戻りけり
*
[しぶかわきょうこ(1934〜)「頂点」「面」「明」所属]
序:大坪重治
跋:こしのゆみこ
装丁:君嶋真理子
四六判フランス装
210頁
2009.12.25