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◆第一句集
もう一つ遠くにも居て鉦叩
年尾の手ほどきを忠実に守られ、客観写生に徹し、和子さんの優雅な雰囲気も加わって独特な作風を持って居られる。
（序・稲畑汀子）
◆本書より１０句
海光の果てしなき銀春隣
梢先の春を透かしてをりにけり
梅ケ香のふり向く時でありにけり
人流れ花に従ふ道となり
花満てり西行庵の侘びしさに
紫荊幹より色の咲き出づる
風船をはなし離せぬ好奇心
露涼しさそり座西に傾きぬ
訪はずゐる訪ひたき人や十三夜
霜月のひたひた暮れて来たるかな
*
[たにぐち・かずこ（1926〜）ホトトギス同人]
序：稲畑汀子
装丁：奥川はるみ
四六判上製カバー装
230頁
2009.12.16刊行
