◆本格海外俳句集
1996年より2005年までの海外詠総数566句を収める。
句集『鵬翼』には国際的な物理学者の有馬朗人は存在せず、ひとりの旅人としての俳人がいるだけだ。詩人の翼が異国の景にふれて、新しい俳句が生れる。
(帯より)
◆自選十五句より
ソーダ水巴里に老いたる女かな
いづこにも龍ゐる国の天高し
長城の果なる町の蠅叩き
喇嘛僧につきあたりたる暑さかな
ロンドンに飽き人生に厭き草を刈る
天に置くダヴィデの琴や朝の月
歩むべし復活祭の海平ら
春の雨悪魔の舌をぬらしけり
戦争の幾度過ぎし麦畑
イグアナの皮の楽器や月涼し
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[ありまあきと 天為主宰]
装丁:山岡有以子
四六判上製カバー装
256頁
2009.11.25刊行