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◆第一句集
鳥ばかり描きし画家あり青岬
ゴッホが一時ひまわりばかりを書いていた時期があったように、鳥ばかり描こうとする画家もあるだろう。初夏のみどりの美しい頃の岬の、虚空に、羽音を響かせる鳥を追って、一途に画布に向っている画家の姿が想像される。澄んだ心が自然に触れて発する、韻律を持つ句となっている。
(跋より:上野澄江)
◆自選十句
鳥ばかり描きし画家あり青岬
サイレンの記憶トマトの日の匂ひ
河童忌のわれ定年を迎へけり
木の実落つ龍太をしのぶ石畳
黄落や澄みゆく五体獣のごと
三島忌の槌音空に乾きたる
無と題す現代アート山眠る
冬の日の沁み入る墓石家郷かな
初蝶や通勤の波引きし駅
陽炎燃ゆ大地の奏づロンドとも